
歯列矯正で食事が噛めないのはいつまで?痛みのピーク・期間目安とすぐにできる対処法
2026.02.25

「歯列矯正中に食事が噛めないのはいつまで?」
矯正装置をつけた直後や調整後に、こうした不安を感じる方は少なくありません。やわらかい物でも噛むのが怖かったり、外食や職場・学校での食事が気になったり、痛みのせいで食事そのものが億劫になったりと、矯正治療中は日常のストレスを感じやすくなりますよね。
目安として、矯正の痛みや噛みにくさは最初の24〜48時間に強く出やすく、その後は数日で落ち着くことが多いとされています。
また、食事が「普段に近い状態」に戻るまでの目安は数日〜1週間程度が一つの基準ですが、治療内容や噛み合わせの状態によって個人差があります。
この記事では、噛めないと感じる主な原因や今日からできる食事の工夫、そして我慢せず相談したい受診サインまで順番に解説します。「歯列矯正中の食事がストレス…」とお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
歯列矯正中に食事が「噛めない」主な4つの原因
歯列矯正を始めた直後や調整後に「噛めない」と感じると、「この痛みはいつまで続くのか」「このまま食事ができないのでは」と不安になりやすいものです。
実は、噛みにくさの原因はひとつではなく、歯が動く刺激・噛み合わせの当たり方の変化・装置が粘膜に当たる刺激・装置トラブルなどが重なって起こることがあります。ここでは、これら4つの原因について詳しく解説します。
原因①:歯が動く痛み
矯正装置の力が歯にかかると、歯の周り(歯根まわり)に圧が加わり、噛んだときに響くような痛みを感じやすいことがあります。これは「歯が動く途中で起こりやすい反応」の一つで、痛みの強さや出方には個人差があります。
ただ、この矯正装置の力はずっと同じ強さでかかり続けるわけではありません。一般的に、装置を調整してから2〜3日ほどで力が弱まっていくため、それに合わせて痛みも徐々に落ち着いていくことが多いです。
原因②:一時的な噛み合わせの変化
矯正で歯の位置が動く過程では上下の歯の当たりどころが一時的に変わり、前歯しか当たらなかったり、奥歯で噛みにくいと感じたりすることがあります。たとえば前歯に当たりやすい時期は、麺類やお肉が噛み切りにくく感じて、食事がストレスになりやすいものです。
そのため、噛み合わせを一時的に調整する目的で咬合挙上(バイトアップ)などの処置を必要に応じて行うケースもあります。
違和感が強いときにやりがちなNG行動
違和感があると、つい自己判断で色々なことを試したくなりますが、以下の行動は避けたほうが安心です。
- 自己判断で装置を外す(外せるマウスピースタイプでも、指示と違う使い方をする)
- 噛み合わせを慣らそうとして強く噛む
- ワイヤーや装置を指で押したり、形を変えて調整しようとする
これらの行動により、装置の当たり方が変わって痛みが増したり、装置が変形して違和感が長引いたりすることがあります。まずは「何が当たっているのか」「どこが痛いのか」を歯科で確認して相談するほうが安全です。
原因③:装置による口内炎・粘膜の傷
表側ワイヤー矯正などでは、ワイヤーが頬や唇の内側に当たったり、ブラケットの角が粘膜に擦れたりして、口内炎や小さな傷ができることがあります。その結果、噛む動きだけでなく、飲み込む・話すといった日常の動作までつらく感じることがあります。刺さりや当たりが続く場合は、自己判断でワイヤーを曲げたりせず、早めに連絡して調整してもらうのが安心です。
原因④:装置の変形や外れ
「ブラケットが外れた・浮いた」「装置が変形して当たる」「噛むと装置が干渉する」など、装置のトラブルがきっかけで「噛めない」「痛い」といった症状が急に強くなることがあります。ここは我慢で乗り切るより、早めに整えるほうが口の中を傷つけにくく、治療の流れも整いやすい傾向があります。
特に、痛みで食事ができない・口の中が切れる・装置が正しく使えない(外れた/浮いた等)といった状況では、できるだけ早めに歯科へ連絡し、指示を仰ぐのが安全です。
【装置別】噛めない期間と痛みが出やすいタイミング

矯正装置の種類によって、痛みの出やすいタイミングが異なります。表側ワイヤー矯正は、噛んだときに歯へ力がかかりやすく、食事のたびに痛みを感じることがあります。一方、マウスピース矯正は食事のときに矯正装置を外せる反面、交換直後の締めつけ感が出やすかったり、「外せるからこそ気をつけたい点」があったりします。
ここでは、装置ごとに痛みが出やすいタイミングと噛みにくさの特徴を整理して解説します。
表側ワイヤー矯正
表側ワイヤー矯正では、調整(ワイヤー交換・締め直しなど)の直後に「噛むと響く」「歯が浮く感じがする」といった噛みにくさが出やすいです。目安としては、最初の24〜48時間に強く感じやすく、その後は数日で薄れていくことが多いです。
ただし、同じワイヤー矯正でも、動かしている歯の部位(前歯中心か、奥歯も大きく動かすか)や調整内容、もともとの噛み合わせの状態によって体感は変わります。「前回は平気だったのに今回はつらい」「逆に、最初はつらかったがだんだん軽くなった」など痛みは一定ではなく変化するため、あくまで目安として捉えてください。
また、噛みにくさの原因が「歯が動く痛み」なのか「当たり方の変化」なのかで対処が変わることがあります。痛み止めで落ち着くタイプもあれば、当たり方の調整が必要なケースもあるため、記事後半のセルフケア・受診サインとあわせてご確認ください。
マウスピース矯正
マウスピース矯正の大きな利点は、食事のときに外せる点です。ワイヤー矯正に比べて「食べ物が装置に当たって痛い」「装置に挟まって気になる」といったストレスは起こりにくく、普段の食事に近い形で食べやすい傾向があります。
一方で、マウスピース交換直後はマウスピースが歯を新しい位置へ移動させるため、鈍い圧迫感や噛みにくさを感じることがあります。
さらに「噛むのが怖いから今日は長めに外しておこう」とマウスピースを外している時間が長くなると、次の交換でまたきつく感じやすくなることもあるため注意が必要です。
マウスピース交換直後の痛みを和らげるコツ
マウスピース交換直後の違和感は、完全にゼロにするのは難しいですが、夜にマウスピースを交換することで少し楽になることがあります。就寝中は会話や食事の心配がいらないため、交換直後の「気になる時間」をやり過ごしやすくなるからです。
ただし、それでも痛みが強い、噛めないほどつらい、または装着自体が難しい場合は、我慢して自己流で調整するのではなく、早めに歯科に相談してください。治療計画やフィットの確認で改善できるケースもあります。
歯列矯正で噛めないときにできる3つの食事の工夫

噛むと痛い時期は、「何を食べるか」を少し変えるだけで、食事の負担がぐっと軽くなることがあります。ポイントは、歯や装置にかかる刺激を減らしつつ、栄養の偏りもできるだけ避けることです。ここでは、矯正中でも取り入れやすい3つの食事の工夫を解説します。コンビニや外食でも応用しやすい形で紹介しますので、ぜひご活用ください。
工夫①:やわらかく・小さく・温度刺激が少ないものを選ぶ
噛めないときは「やわらかさ」「一口サイズ」「温度」を意識すると、噛む回数や噛む力を減らしやすくなります。
- やわらかく:煮る・蒸す・とろみ(あん、スープ、ポタージュ)で飲み込みやすくする
- 小さく:一口大に切り分ける
- 温度刺激を減らす:熱すぎ・冷たすぎは、しみや違和感を強めることがあるため避ける
特別な料理を用意しなくても、このように調理法や切り方を少し変えるだけで負担をぐっと下げられます。
コンビニで選ぶなら、茶碗蒸し、豆腐、ヨーグルト、ポタージュ、スープ、雑炊、リゾット系などは取り入れやすい選択肢です。
工夫②:卵・豆腐・ヨーグルトでタンパク質を補う
噛めない時期は、どうしても麺類やパン、ゼリーなど「食べやすい物」中心になり、栄養が偏りやすくなります。中でも不足しやすいのがタンパク質です。まずは、噛む負担が少なく、準備も簡単な食材から無理なくタンパク質を補っていきましょう。
選びやすい食材の例としては、卵、豆腐、ヨーグルトのほか、白身魚、ツナ、鶏ひき肉、スープ・ポタージュなどが挙げられます。組み合わせも難しく考えなくて構いません。
たとえば、卵+雑炊、豆腐+あんかけ、ヨーグルト+バナナ、ツナ+やわらかめのごはん、鶏ひき肉のスープなどは、噛まずに近い形でもタンパク質を摂りやすい組み合わせです。
工夫③:絡む・硬い・噛み切りにくい食べ物を避ける
矯正中に「噛めない」ときは、以下のような装置にも歯にも負担がかかりやすい食べ物を避ける意識も大切です。
- 粘着性があるもの:ガム、キャラメル、グミなど
- 硬いもの:せんべい、ナッツ、氷、フランスパンなど
- 噛み切りにくいもの:肉の塊、スルメ、繊維が強い野菜など
特に硬いものと噛み切りにくいものは、噛む時に強い力や引っ張る力を要するため、痛みを感じやすくなります。どうしても食べたい場合は、肉は薄切りやひき肉にする、野菜は柔らかく煮る・刻むなど「食べ方を変える」方向が現実的です。また、装置に挟まりやすい食材を選んだ日は、食後に鏡で確認する、早めに清掃するなど、セルフケアも忘れずに行いましょう。
歯列矯正中の痛み・違和感を和らげるセルフケア

矯正中の痛みや「噛みにくさ」は、食事だけでなく仕事や学校の集中にも影響しやすく、「このまま続いたらどうしよう」と不安になりがちです。ただ、つらい時期を安全にやり過ごすためにできるセルフケアはいくつかあります。ポイントは、痛みを無理に我慢しない一方で、自己流で装置をいじって悪化させないことです。ここでは、今日から取り入れやすいケアを3つ解説します。
痛み止めは「必要なときだけ」
矯正治療中の痛みに対して、市販の鎮痛薬(例:アセトアミノフェン/イブプロフェンなど)が用いられることがあります。痛みが強いときは鎮痛薬を使用してやり過ごすこともひとつの解決策です。しかし一方で、鎮痛薬に頼り切りになって常用が続くと、胃の不調(胃痛・胃もたれなど)や腎臓への影響が起こり得るため、漫然と飲み続けないことが大切です。
また、鎮痛薬には体質や持病、併用薬との相性があります。「必要なときだけ」「用法・用量を守る」を基本にし、迷う場合は歯科や薬剤師に相談してください。特に胃腸が弱い方、妊娠中・授乳中、持病がある方などは自己判断を避けるのが安心です。
矯正用ワックスで当たりを減らす
「装置が粘膜に当たって痛い」「話すたびに擦れてつらい」といった「当たり」の痛みは、当たっている装置側を一時的に矯正用ワックスで覆うだけでも楽になることがあります。矯正用ワックスで擦れやすい部分を覆うと、頬や唇の内側への摩擦が減りやすいです。
使用方法は簡単です。
- 歯みがき後など、装置の表面をできるだけ乾かす
- ワックスを指で少し温めてやわらかくし、当たる部分を覆う
- 食事で外れやすいので、必要に応じて付け直す
ただし、矯正用ワックスはあくまで「つなぎ」です。刺さりが強い、同じ場所が繰り返し傷つく、出血や腫れが目立つ場合は、早めに歯科へ連絡して調整を受けてください。
触らない・曲げない・強く噛まない
痛みや違和感があると、「慣らそう」として強く噛んだり、ワイヤーを指で押したり、装置を自己流で曲げたりしたくなることがあります。しかし、こうした行動は矯正装置の当たり方を変えて痛みが増したり、装置が変形して状況が複雑になったりする原因になり得ます。
「噛めないほど痛い」「口の中が切れる」「装置が外れた・浮いた」などがある場合は、セルフケアで粘らず、早めに歯科へ連絡して指示を仰ぐのが安心です。
歯列矯正中の痛みがつらいときの受診サイン

痛みや噛みにくさは、調整後しばらくすると落ち着いていくことも多いですが、いつもより強い痛みが続く、または装置の状態に明らかな変化があるときは、無理に様子見を続けず、歯科を受診する方が安心です。
- 1週間以上つらい/日ごとに悪化している
- 噛み合わせの違和感が強く、生活に支障が出る状態が続く
- ワイヤーが刺さる/装置が外れた・浮いた/口の中が切れる(出血・腫れが強い)
これらの状況にある場合は、遠慮せず歯科までご相談ください。とくに「ワイヤーが刺さる」「ブラケットが外れる・浮く」などの不具合は、早めに相談すればするほどお口の中を傷つけにくく、治療もスムーズに進みやすくなります。
歯列矯正中の「噛めない」を我慢しすぎると起こり得ること
歯列矯正中の「噛めない」を我慢しすぎると、痛みを避けるためにやわらかい物・飲み込みやすい物ばかりになりやすく、食事内容が単調になって栄養バランスが崩れたり、食事量そのものが減って体力面の不安につながったりすることがあります。さらに、硬い物や粘着性の物を避ける意識が強くなりすぎると「食べられる物が限られている」と感じて、食事がストレスになってしまうこともあります。
また、マウスピース矯正の場合では、痛みを理由に装置を外す時間が増えると治療が計画どおり進みにくくなる可能性もあります。そのため、「食べられない日が続く」「外している時間が増えてしまう」などの不安が出た時点で、我慢で乗り切ろうとせず、早めに歯科までご相談ください。
歯列矯正中の食事に関するよくある質問

ここでは、歯列矯正中の食事に関してよくある質問をまとめました。
Q. 矯正中、噛めないと痩せる?太る?
A.一時的に食事量が落ちて体重が減る方もいれば、反対に「食べやすい物(甘い物・やわらかい炭水化物など)」に偏って体重が増える方もいて、どちらとも言い切れません。大事なのは、体重の変化そのものより、「噛めないから栄養が崩れている」「食事が怖くて食べられない日が続く」といった状態を放置しないことです。矯正治療を始めてからの食事で栄養面に不安を抱えている方は、遠慮せず早めに歯科までご相談ください。
Q. 片側で噛み続けても大丈夫?
A.痛い側を避けて、無意識に片側ばかりで噛んでしまうことは珍しくありません。ただ、長期間にわたって片側噛みが習慣化すると、顎関節や噛み合わせに負担が偏る可能性があります。「数日だけ片側になった」程度で過度に心配する必要はありませんが、片側でしか噛めない状態が続く、噛み合わせの当たりが明らかに変、顎が痛い・音がするなどがあれば、調整で楽になることもあるため早めに歯科へ相談するのが安心です。
Q. いつ頃から普通の食事に戻れる?
A.「普通の食事に近い状態」へ戻れるタイミングは、装置の種類や調整内容などで個人差があります。「何日以降は何でも食べてOK」と断定するよりも、痛みが強い日は無理せずやわらかいもの中心の食事にし、違和感が引いたら少しずつ戻す、という進め方が安全です。
大阪府高石市|のだ歯科クリニックでできること

矯正中の「噛めない」は、歯が動く痛みだけでなく、一時的な噛み合わせの変化や、装置の当たり・不具合が重なって起きることがあります。だからこそ「矯正中だから仕方ない」と決めつけず、いまの症状が何によるものなのかを歯科医院で確認することが、結果的に矯正治療の続けやすさにつながります。
のだ歯科クリニックでは、マウスピース矯正だけに限定せず、お口の状態や生活スタイルに合わせて治療法を複数の選択肢から検討できる体制を整えています。さらに、無料の矯正相談会では口腔内スキャナーiTeroによるスキャンと、矯正後の変化をその場で体験できるシミュレーションを行い、費用・期間・開始時期の目安まで整理したうえで提案いたします。
また当院は総合歯科として、矯正中でもむし歯・歯周病の治療や定期検診・クリーニングを同時に行えるため、トラブルが起きたときも相談先が分かりやすいのが強みです。「矯正治療中の痛みが不安」「まずは自分に合う選択肢を知りたい」という方は、お気軽に無料相談会までお越しください。
まとめ:歯列矯正中に噛めないときは、無理せず早めに相談を

歯列矯正で「噛めない」と感じるのは、調整直後などに一時的に起こりやすい反応で、痛みの程度には個人差があるものの、矯正の力は2〜3日で弱くなるため、痛みもそれに伴い落ち着いていきやすいです。
痛みがつらい日は、やわらかい物を小さくして食べるなどの「食事の工夫」で負担を減らしつつ、1週間以上つらい/日ごとに悪化する/装置が刺さる・外れたといったサインがあれば、我慢せず早めに歯科まで連絡するのが安心です。とくにマウスピース矯正の方は、痛みでマウスピースを外す時間が増えると、治療が計画どおり進みにくくなる可能性があるため、基本の装着目安(1日22時間以上、食事・歯みがき時は外す)も押さえておきましょう。
大阪府高石市のだ歯科クリニックでは、毎月、無料でご参加いただける歯並び矯正相談会を実施しています。「矯正治療中の痛みってどんな痛みなんだろう…」「矯正治療中もちゃんと食事できるの…?」といま不安を抱えていらっしゃる方、そして、歯列矯正で美しい笑顔と健康的な噛み合わせを目指したい方は、ぜひ無料相談会までお越しください。
関連記事
2026.02.27
ワイヤー矯正中にナイトガードはつけられる?歯ぎしり・食いしばり対策と注意点を解説
2026.01.31
部分入れ歯が舌で外れる原因と対処法|やってはいけないことと歯科での調整
2026.01.14
部分入れ歯ができるまでの仮歯(仮入れ歯)とは|歯がない期間をどう過ごす?
2025.12.31
