インプラントが取れた・ぐらつく…別の歯医者で相談しても大丈夫?
2025.10.22
「インプラントが取れた」「ぐらつく」と感じたとき、多くの方が「せっかく治療したのに失敗したのでは」と不安を抱かれます。
しかし、必ずしもインプラントそのものがダメになったわけではありません。実際には、被せ物が外れただけのケースもあれば、骨の中に埋め込まれたインプラント体(フィクスチャー)が緩んでいるケースもあるのです。
見た目の症状は似ていても、原因と対応法は大きく異なります。誤った自己判断で放置したり、無理に戻そうとしたりすると、感染や骨吸収を招くおそれがあります。
こうしたトラブルを防ぐには、まず「何が取れたのか」「なぜ緩んだのか」を正確に見極めることが重要です。
本記事では、インプラントが取れたりぐらついたりする原因や、他院での再治療・受診時の注意点、そしてのだ歯科クリニックでの精密な対応方針まで、わかりやすく解説します。
インプラントが「取れた」「ぐらつく」ときに考えられる原因
患者様が「インプラントが取れた」と感じる状況には、実際には2つのタイプがあります。
ひとつは歯ぐきの上に見える上部構造(被せ物)が外れたケース、もうひとつは骨の中に埋め込まれたインプラント体(フィクスチャー)が緩んだり脱落したケースです。
見た目の症状は似ていても、原因や処置方法はまったく異なります。
誤った自己判断や市販の接着剤での応急処置は、ネジや土台の破損、感染の拡大につながるおそれがあります。
まずは精密診査で、どちらのケースかを正確に区別することが大切です。
ここでは、代表的な2つの原因と、それぞれの特徴を解説します。
上部構造(被せ物)が外れたケース
インプラントの上部構造(被せ物)が外れた場合、その多くは内部の締結ネジの緩みや接着材の劣化が原因です。
特に長期間使用していると、咀嚼や歯ぎしりなどによるわずかな力の積み重ねで、内部パーツが緩み、最終的に被せ物が外れてしまうことがあります。
一見すると「取れただけ」に見えても、内部構造が損傷している場合もあり、自己判断での再装着は厳禁です。
無理に押し込んだり接着剤を使ったりすると、土台の破損やネジの変形、感染の原因になることがあります。
被せ物が外れた際は、外れたパーツを清潔な容器に保管し、そのままの状態で歯科医院に持参してください。
のだ歯科クリニックでは、インプラントの内部構造を確認し、ネジやアバットメントの状態を丁寧に評価した上で、再固定・再装着の可否を判断します。
インプラント体(フィクスチャー)が緩んだ・脱落したケース
骨の中に埋め込まれたインプラント体が緩んだり、最悪の場合には脱落してしまうケースもあります。
原因として多いのは、噛み合わせの不均衡、骨吸収(インプラントを支える骨が痩せる現象)、そしてインプラント周囲炎などの感染です。これらが複合的に作用すると、フィクスチャーを支える骨の安定が失われ、インプラントが動揺し始めます。
この状態を放置すると、炎症や骨吸収が進行し、再埋入が不可能になるリスクもあります。
再治療の可否を判断するために、CT撮影や咬合検査などの精密診査を行うケースもあります。
また、再発防止のためには、噛み合わせの調整や生活習慣(歯ぎしり・食いしばりなど)の見直しも重要です。
取れたインプラントを「違う歯医者」で診てもらっても大丈夫?
「以前の歯医者で入れたインプラントが取れたけれど、同じ医院に行くのは気が引ける」そう感じてご相談に来られる方は少なくありません。
結論から言うと、他院での診察・再治療は可能です。
ただし、インプラントはメーカーや構造が多様であるため、再治療には正確な情報が必要になります。使用していたメーカー名や治療時期、装着部位、経過写真などを把握しておくと、再診時の診断がスムーズになります。
のだ歯科クリニックでは、現在の状態を正確に把握した上で、再装着・再埋入・除去といった複数の治療方針を検討します。
また、他院での治療記録が不明な場合でも、診査データから構造や材質を推定し、安全性を確保したうえで対応可能です。
「どこに相談すればいいかわからない」という方も、まずは状態確認だけでも受診されることをおすすめします。
他院でも診察・再治療は可能
インプラント治療は、原則として他院でも診察・再治療が可能です。
特に近年では、主要なインプラントメーカー(ストローマン、ノーベル、京セラなど)の部品互換性が高く、治療記録や型番情報があれば、他の歯科医院でも対応できるケースが増えています。
のだ歯科クリニックでは、骨やインプラント体の状態を正確に診断し、「再固定で済むのか」「再埋入が必要なのか」「撤去して別の補綴(ブリッジ・義歯)に切り替えるべきか」を見極め、患者様の希望と安全性を両立した治療方針を立てます。
「前の歯医者で入れたものだから…」と迷う必要はありません。
インプラントが取れたりぐらついたりした段階で、早めに再評価を受けることで、骨吸収や感染の進行を防ぐことができるのです。
受診前に確認しておきたい情報
他院で治療したインプラントの再診を受ける際には、治療記録や使用メーカーの情報が分かると診断がスムーズです。
具体的には以下のような情報があると理想的です。
-
使用したインプラントメーカー名(例:ストローマン、ノーベルバイオケアなど)
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治療時期と装着部位
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経過写真やレントゲン画像
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被せ物やアバットメントなど、外れた部品そのもの
ただし、これらが分からない場合でも受診は可能です。初回相談の段階では、「いつ頃入れたものか」「どんな経過だったか」といった簡単な情報でも十分です。
重要なのは、自己判断で放置せず、早めに状態を確認することなのです。
インプラントが取れたときにやってはいけないこと
インプラントが取れたり、ぐらついたりしたとき、焦って自分で戻そうとしたり、市販の接着剤で固定しようとする方が少なくありません。
しかし、これらの行為は感染や骨のダメージを招く重大なリスクがあります。
また、「痛みがないから」「忙しいから」と放置してしまうケースも危険です。
インプラントが動揺している状態を放置すると、周囲の骨が吸収されてしまい、再治療が難しくなることもあります。
ここでは、トラブル発生時に特に避けるべき行動を2つ挙げ、その理由を詳しく解説します。
正しい対応を知っておくことで、トラブルの拡大を防ぎ、再治療の成功率を高めることができます。
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